70歳雇用もいいけれど…その前に介護離職、減らしませんか?
こんにちは。
May's + 海野です。
1週間ほど前の話になりますが、
政府が『高年齢者雇用安定法改正案の骨格』を
発表しました。
<参考記事>日経電子版(5月15日)より
70歳雇用へ企業に努力義務
記事をご覧いただければ
ご理解いただけるかと思いますが
要は、60歳定年制を廃止して
希望する方が70歳まで働ける環境を
雇用先企業が対応しなさいよ、というもの。
確かに、60歳を過ぎても働きたいと
考える方は増えています。
働きたいと考える高齢者を支援する事も
これからの時代、大切なことかもしれません。
でも…。
その前に、働き続けたいのに働けない
という現実があることを忘れてやしませんか?
今回は、介護離職について考えてみます。
介護離職とは?
介護離職とは、親や配偶者など
家族の介護のために
仕事を辞めることをいいます。
平成24年度三菱UFJリサーチ&コンサルティング
『仕事と介護の両立に関する労働者アンケート調査』
(厚生労働省委託調査)によると、
介護のために会社を退職した理由のうち
圧倒的多数だったのは
"仕事と「手助・介護」の両立が難しい職場だったため” で
男女ともに全体の62%を占めています。
そして、介護を担っている人の男女比は
男性:30% 女性:70%
やはり男性は「一家の大黒柱」的な
考えによるものなのでしょうか。
娘として、嫁として
介護を担う方が多いようです。
実際、私も義父の闘病中は
仕事を休んだり遅刻・早退したり…。
なんどもありました。
旦那様はあまり仕事を休む事は
しませんでしたね。
また、実際に仕事を辞めた時の
就業継続希望の有無については
"続けたかった” と答えた人は
全体の6割弱となっています。
介護を理由とした離職は
それぞれの職場・家庭環境にも
大きく左右されますので
一概に正しい、間違っているとは
言えません。
自身の負担が減ると考えて
仕事を辞めたはずなのに
精神的・肉体的・金銭的にも
かえって負担が増えたという方も
アンケート結果に表れています。
就業先で介護者をサポートする制度
企業側も、法律の制定や改正などにより
介護支援の様々な制度を設けています。
主なものは次の通りです。
✅介護休業制度
✅介護休暇制度
✅所定労働時間の短縮等の措置
✅所定外労働の免除 など
ここで全てを詳細に説明すると
非常に長くなりますので
以下のサイトを参考としてください。
◆厚生労働省ホームページ
仕事と介護の両立〜介護離職を防ぐために
◆厚生労働省
介護休業制度等のリーフレット
上記のように様々な支援制度が
設けられています。
実際に就業規則等で定めている
企業もあるでしょう。
ですが、従業員は自分の会社で
その制度が整備されていることを
きちんと理解されているでしょうか?
あなたは、ご自身が働く会社の
制度をご存知ですか?
理解はしていても
制度を利用できる環境が
整っているでしょうか?
安易に離職する前にできることがあるはず!
先ほどのアンケート調査で
仕事と介護の両立で不安を感じている人の
具体的な不安内容では
・仕事を代わりにやってくれる人がいない
・両立支援制度がない、方法がわからない
という回答が非常に多い結果となっています。
私自身も、現在勤務している会社の上司に
両親のことを伝えた時に
「介護に関する休暇の制度はあるから
いつでも言ってくださいね」
という、暖かい言葉をいただきましたが…。
現実問題として、代わりに他の誰かが
私の担当業務をこなしてくれる訳ではなく
結局、自分が苦しくなるだけなのです。
期日が定められた業務は尚更ですよね。
今は、まだ介護を担っていないから
知らなくていい、ではなく
今からしっかりと確認しておきましょう。
そして、企業側も単に制度を作るだけではなく
従業員全員にしっかり周知できるように、
支援が必要な人が必要な時に
きちんと利用できる体制作りも必要です。
こちらのサイトも
ぜひご参考になさってください。
【平成29年度 仕事と介護の両立支援事業】
仕事と介護 両立のポイント
介護を理由とした退職は
それが何歳であったとしても
ご自身のライフプランに
大きな影響を与えることになります。
決して答えは一つではないのです。
安易な離職をされないように
願っています。