住民税の区分変更による限度額適用認定への影響
こんにちは。
May's + 海野です。
初の青色申告での確定申告も何とか2月中に終わり、ホッとしています。
さすがに、すんなりと…とはいかなかったですが(汗)
予定していた方法で進めることができず、サポートへの問い合わせや税務署への確認を行い、何度かe-Taxでの申告をやり直すことになってしまいました。
コロナウイルス感染拡大の影響を受けて、今年の確定申告期限は1ヶ月延長されましたが、「延長されたから、まだいいや」ではなく、想定外の出来事が起こることもありますので、まだお済みでないという方は早めの行動をお勧めいたします!
さて、今日は確定申告に関連して住民税についてお伝えします。
ご存知のように、住民税というのは前年の所得に準じて決定されますね。
会社勤務されている方は年末調整で、自営業などの方は確定申告でその年の所得が確定します。
ご高齢の方で、年金収入のみという場合は住民税は非課税となっている方も多くいらっしゃると思います。
ですが、臨時的な収入があった場合は非課税から課税に変化することがあるのです。
その影響とは…?
例えば…住んでいた住居を売却したら?
以前、ブログでもお話していますが、両親が揃って介護施設に入所したことで空き家状態となっていた実家を売却しました。
我が家の場合は名義人である父親が生きていましたので、譲渡所得の申告が必要でした。
そのため父親の所得は例年、年金所得のみでしたが、売却したその年に限っては譲渡所得がプラスされることになります。
譲渡所得についてはこちらも参考にしてください。
その結果、これまで父親は非課税世帯として住民税は課税されていなかったのですが、不動産売却による所得ですので高額の所得がプラスとなり、住民税も課税世帯に変更されました。
まぁ、それは当然のことでもあり、今後ずっと課税されるわけではなく、次年度からはこれまで通り年金所得だけに戻りますので、住民税についても非課税世帯に戻ることになるでしょう。
ですが…。
譲渡所得があり、住民税が課税になったことの影響は他にも及ぶこととなったのです。
限度額適用認定区分の変更
この後のお話は、譲渡所得があった本人が介護施設で生活している状態でのお話になります。
元々、父親は自宅を売却する前から介護施設に入所していて、病院と施設を行ったり来たりする状態が続いていましたので、後期高齢者医療制度と介護保険制度の両方で『限度額適用認定』を受けていました。
限度額適用認定についてはこちらの記事も参考にしてください
記事にもあるように、この認定は申請によって受けられるものですが、第1条件として「世帯全員が非課税世帯であること」とされています。
上記記事内でも記載がありますが、後期高齢者医療制度の限度額の段階は次の表の通りです。
年金所得のみの状態では、自己負担割合1割の低所得者Ⅱであった父親が、住民税が課税となったことで、一般の区分に変更となってしまいました。
幸い、最近は病院に搬送されることもなく、医療費への影響は今のところ受けずに済んでいますが、介護保険の方は施設費が大幅に増加することとなりました。
軽減されていたのは、食事代と居室代の1部です。
月額にして約45,000円の増加となりましたので、1年間だと約540,000円アップとなります。
軽減を受けている間は、なんとか年金で施設費を賄えていましたが、それも厳しい状況です。
状況はこのように変化しましたが、年度が変われば再度申請することはできますので今はじっと我慢…です。
まとめとして…
このように、一つの変化によって複数の影響を受けることがあります。
今回の場合、
住んでいた家を売却
↓
譲渡所得が発生
↓
住民税が非課税から課税に変更
↓
今まで払うことのなかった住民税を納税
↓
医療・介護で受けていた軽減制度の区分変更
↓
施設費が大幅アップ となりました。
今回のお話は、あくまでも一例に過ぎません。
そもそも…ですが、自宅の売却自体やむを得ない理由がありましたので、そこから発生した様々な影響も仕方のないことではあります。
現在、社会的にも空き家問題が取り上げられていますが、今後はもっと増えてくることも予測されています。
今回の例のように、名義人であった人が施設で生活している状況はさほど多くないかもしれませんが、所得変更・住民税・各種制度への影響を一連の流れとして知っておくことは、いざという時の参考になるかと思います。
最後になりますが、税務署などの国の機関や地方自治体(県・市)はもちろんですが、利用している介護施設等も情報を共有していますので、何かの手続き等が行われた場合は必ず関係各所に通知があるようです。こちらも頭の片隅に入れておいてくださいね。