終活、セカンドライフプランの重要性
こんにちは。
May's + 海野です。
『終活』というものを考えた時に、多くの方が不安に思うことの一つに老後の生活資金があげられます。
終活に関するアンケートなどでも、必ずと言っていいほど上位に位置しています。
では、この生活資金への不安を取り除くために何をしたらいいのでしょうか?
今日はそんなお話をしてみたいと思います。
まずは、生活資金の流れを確認!
多くの方が持っている老後の生活資金への不安。
そもそも…ですが、なぜ不安なのでしょうか?
貯蓄が少ない、先の状況が見えない、支出が多い、収入が少ない…など、理由はそれぞれの生活環境等によって様々かと思います。
理由は様々でも、不安があるのは間違いないですよね?
だったら、まずは現在の状況や今後の希望も含めて、今後の資産の流れを把握するところからスタートすることをオススメします。
そこがしっかりわかっていないと、とにかく節約!と頑張ってみたり、リスクの大きな投資信託を始めてしまったり、過剰な保険に加入したり、必要以上に無理な労働をしてしまったり…と、あまりベストな選択ができない結果になってしまいがちです。
ご自身のこれからを見据えた資金の流れを把握するために、お勧めしたいのはライフプランの設計です。
ライフプランってなに?という方も多いと思いますので、ご説明していきますね。
金融庁が勧めるライフプランとは?
ライフプランという言葉を初めて聞いた、という方もいらっしゃるかもしれませんね。
住宅取得のタイミングなどでは住宅会社からライフプランの設計書などを見せられた方もいるでしょう。
要するに、ライフプランというのは直訳の通り『人生の設計書』ですね。
私は『人生の航海図』とも呼んでいます。
その方の今後の人生において、主にお金の動きから将来の予測を立てていく役割を持っています。
特に50代〜60代にかけては、定年を迎えて収入面で大きな変動が起きる時期でもありますので、将来への予測を立てるという意味では重要なタイミングでもあります。
今年問題となった金融庁の報告書、覚えていらっしゃるでしょうか?
老後に必要な生活資金が、年金だけでは2,000万円不足するという言葉が一人歩きをしてしまい大問題になりました。
でも、金融庁が言いたかったのはそこではないと私は思っています。
報告書を全て読みましたが、もっと根底にある大切なことが書かれていました。
自らがどのようなライフプランを想定するのか、そのライフプランに伴う収支や資産はどの程度になるのか、個々人は自分自身の状況を「見える化」した上で対応を考えていく必要がある
(金融庁報告書原文より)
ここで言っている「見える化」というのがライフプラン設計ということなんですね。
では、どんな風に見える化することができるのか?
実際の設計書の一部をご紹介していきます。
これは、実際に業務でも使用しているライフプラン設計書のサンプルです。
現状の収支をヒアリングしてそのご家庭における現状の金額を明確にします。
上の表をさらに視覚的に表したものが下の図になります。
こうして表すと、収支のそれぞれの割合が一目瞭然ですね。
どこにお金がかかっているのか?収支のどこに問題があるのか?
このようにして現状の把握ができたら、今の状況が続いた場合を想定していきます。
それが下にあるキャッシュフロー表と呼ばれるものです。
少し小さくて見にくいかもしれませんが、こうして長いスパンで表していくと今後数十年間での資金の流れがよくわかります。
現状維持だとどうなるのか?今後の希望を叶えた場合資金不足がどこで発生するのか?何かしらの対策をとった場合はどう変化するのか?を比べることもできます。
このように実際の数字を明確にして問題点を見つけ出し、対策を考え行動していく。
これがライフプラン設計です。
具体的な対策は課題を明確にしてから
今日は実際に使用しているライフプラン設計書の一部をご紹介しながら、ライフプランの重要性についてお話しました。
漠然と「お金が足りなくなる!」と言っているばかりでは時間だけが過ぎていきます。
もちろん終活というのは、お金のことだけではありません。
これからやりたいことの実現、終の住処をどこにするのか、終末期医療、葬儀、埋葬の希望、生前整理(断捨離)、相続や遺言など備えておくことは多岐に渡りますね。
それだけに、生活資金の動きを把握しておくことが大切になってきます。
把握できていれば、ご自身が使える金額・残される方のためにとっておける金額がきちんと分けられます。
将来的に本当に不足額が大きくなってしまうのであれば、早い段階で課題を見つけて対処することで大きな違いが生まれる可能性もあります。
メディアや報道の一般論で振り回されることなく、ぜひあなたご自身のライフプランでどうなのか?を考えるようにしていただきたいと願っています。
これも終活の中での大切なテーマの一つなのですから。