相続税対策?生前贈与ってなに?

こんにちは。
May's + 海野です。

 

今回は相続シリーズの4回目です。
これまで、相続について
お伝えしてまいりましたが
ひとまず、この4回目のお話で
相続の基本シリーズは
終わりにいたしますね。

 

まだまだ、お伝えすることは
たくさんありますので
引き続き、これからの記事で
その都度アップしていこうと思います。

 

今回は相続税対策にも有効な
生前贈与の基本的な部分を
お伝えしていきますね。

 

そもそも…相続と贈与の違いって?

 

相続と贈与の違い、
なんとなくわかっているけど
具体的に何が違うのか?
改めて見ていきたいと思います。

 

人が亡くなると、その方の財産は
遺産となって、遺族などに受け継がれます。
これが『相続』ですね。

 

一方、その方が亡くなる以前に
ご自分の財産の一部を渡すこと、
これが『贈与』です。

 

具体的には、以下のようになります。

 

<相続>
・法定相続人となる場合には
 本人の意思とは関係なく発生する
・法定相続人以外の人に財産を渡す場合は
 遺言書が必要となる
・相続として遺産を受け継ぐ相手は
 法律で定められている

 

<贈与>
・財産を渡したい相手との合意があれば
 成立する
 口頭での合意確認があれば成立するが
 後のトラブル防止のために書面での
 意思確認があった方が良い
・存命中の受け渡しであるため
 本人の希望するタイミングで渡すことができる
・相続とは違い、自由に相手を選ぶことができる

 

相続と贈与にはこのような違いがあります。

最近では、相続税対策のために
事前に生前贈与という形で
財産を譲る方も増えているようです。

 

では、その贈与の税制について
お伝えしていきますね。

 

暦年課税と相続時精算課税制度

 

贈与税を算出する際には
2種類の算出方法があります。

暦年課税
相続時精算課税制度です。

それぞれについて
概要をご説明しますね。

 

【暦年課税】

贈与税は贈与を受けた年の
1月1日〜12月31日までの
1年間に取得した財産の合計で
算出します。

 

暦年課税には『基礎控除額』として
110万円が設定されていますので
1年間に取得した贈与財産から
110万円を差し引いた金額に
税率をかけて算出します。

 

この税率については
国税庁のホームページに
詳しく説明されていますので
参考としてください。

【国税庁ホームページ】
 贈与税の計算と税率

 

この暦年課税ですが
贈与した方が亡くなられた場合、
亡くなった日から遡って3年間に
取得した財産は、相続発生時に
生前贈与加算の対象となることを
覚えておきましょう。

 

【相続時精算課税制度】

この制度は、相続発生時に
それまで受けた贈与について
贈与税を算出する方法です。

 

この制度には、適用される
要件が決められていて、

・贈与する人の子、あるいは孫で
 贈与を受けた年の1月1日時点で
 満20歳以上の人
(2022年4月1日以降は18歳となる)

・贈与する人はその年の1月1日時点で
 満60歳以上の人

 

この制度について概要は
以下のようになります。

 

同じ人から受けた贈与の合計金額で
その方の相続発生時に税率20%を乗じて
計算されます。

合計金額が2,500万円までは
非課税とされています。

少しわかりにくいので
例をあげて説明しますね。

 

<例>
Aさんは、父親から3年間贈与を受けていました。
1年目:1,500万円
2年目:1,000万円
3年目:1,000万円

この場合の贈与税の計算は…

2年目までの2,500万円は
控除されるので非課税となります。

3年目の1,000万円が
控除額を超過している分なので
税率は一律20%となり、

200万円が相続発生時に
精算する贈与税となります。

 

そして、相続発生時には
この制度適用後に受けていた
贈与額がAさんの相続財産に
加算されます。

加算後に算出された相続税から
上記の200万円を控除した金額が
Aさんが納付する相続税ということになります。


どちらの方法にするのかは
贈与税の申告をする際に
納税者(贈与を受けた人)が
選択することになっています。

 

一度、相続時精算課税制度を
選択した場合は暦年課税に
戻すことができなくなる、
一部の特例が受けられない、などの
デメリットもあるため
注意が必要です。

 

また、贈与税には
様々な特例や控除なども
定められていますので
改めて記事にしていきたいと
思います。

 

まとめとして…

 

今回は、相続シリーズの
最終回ということで
贈与についてお伝えしました。

 

相続にしても、贈与にしても
大前提は、ご本人が今後生活していく
資金を明確にした上で
譲る金額、残す金額を決める、と
いうことですよね。

 

ご自身の財産は
まずは、自分自身が思い描く
未来のためにお使いになることが
一番なのではないでしょうか。

もちろん、お子様やお孫様のために
財産を残しておきたいという
お気持ちもわかります。

 

そのためにも、これからの
ライフプランに沿った
資産計画が必要になってきます。

やみくもに散財する、
やみくもに貯める、
いずれも、少し違うように思います。

 

不安や迷いがあったら
信頼できる専門家に相談してみませんか?

 

ご自身の「こうしたい」という想いに
プロ目線の、より良いアドバイスが
きっともらえるのではないでしょうか。